クロールの息継ぎで沈む子どもに多い5つの原因|練習方法も解説

「クロールの息継ぎをしようとすると、身体が沈んでしまう」

「息継ぎのたびに泳ぎが止まってしまう」

「バタ足や手の動きはできているのに、呼吸がうまくできない」

このような悩みを持つ子どもは少なくありません。

クロールの息継ぎで沈んでしまうと、「まだ泳ぐ力が足りないのでは?」と思われるかもしれません。しかし、単純な筋力や体力不足だけが原因とは限りません。

多くの場合は、顔の向きや息の吐き方、身体の回転など、息継ぎの動作に原因があります。

今回は、クロールの息継ぎで子どもの身体が沈んでしまう主な原因と、自宅やプールで取り組める練習方法について解説します。

目次

クロールの息継ぎで身体が沈むのはなぜ?

クロールで息継ぎをするときは、顔だけを水面から持ち上げるのではなく、身体全体を少し横向きに回転させながら口を水面に出します。

しかし、息を吸おうとして顔を前方や上方向に持ち上げてしまうと、頭の重さによって腰や足が沈みやすくなります。

また、呼吸に意識が集中しすぎることで、バタ足や腕の動きが止まり、身体を支える力が弱くなることもあります。

つまり、息継ぎで沈んでしまう場合は、呼吸だけでなく、姿勢や身体の使い方も一緒に確認することが大切です。

原因1.顔を前や上に持ち上げている

クロールの息継ぎで最も多い原因の一つが、息を吸おうとして顔を前や上に持ち上げてしまうことです。

人の頭には重さがあります。顔を水面から大きく持ち上げると、その反動で腰や足が下がり、身体全体が沈みやすくなります。

息継ぎをするときは、頭を持ち上げるのではなく、身体の回転に合わせて顔を横に向けることが重要です。

確認するポイント

息継ぎをしたときに、次のような動きがないか確認しましょう。

・進行方向を見ながら息を吸っている
・顎を大きく上げている
・頭全体が水面から出ている
・息継ぎのたびに腰や足が沈んでいる

息を吸うときは、顔全体を水面から出す必要はありません。

口が水面から出れば呼吸はできるため、理想的には後頭部や片方の目が水の中に残る程度に顔を横へ向けます。

原因2.水中で息を吐いていない

水中で息を止めたまま泳ぎ、顔を横に向けてから一気に息を吐こうとする子どもも多くいます。

しかし、顔を上げてから「吐く」と「吸う」を同時に行おうとすると、息継ぎに時間がかかります。その結果、顔を水面から長く出すことになり、身体が沈みやすくなります。

クロールでは、顔が水の中にある間に少しずつ息を吐いておくことが大切です。

顔を横に向けたときには、すでに息を吐き終えている状態をつくり、口が水面に出た瞬間に短く息を吸います。

呼吸の基本

水の中では、鼻や口から「ブクブク」と息を吐きます。

顔を横に向けたら、口から「パッ」と短く息を吸います。

子どもには、

「水の中でブクブク、顔を横に向けたらパッ」

と伝えると、呼吸のタイミングを理解しやすくなります。

原因3.息継ぎをすると手や足の動きが止まる

息継ぎに集中するあまり、顔を横に向けた瞬間にバタ足や腕の動きが止まってしまうことがあります。

クロールでは、手や足の動きによって前に進む力と、身体を水面近くに保つ力をつくっています。

息継ぎのときに動きが止まると、前へ進む力が弱くなり、身体が沈みやすくなります。

特に、息継ぎをしている側と反対の腕が早く下がってしまうと、身体を支えられなくなります。

確認するポイント

・息継ぎの瞬間にバタ足が止まっていないか
・顔を横に向けると両腕が下がっていないか
・息継ぎの前後で泳ぐスピードが急に遅くなっていないか
・息継ぎをすると身体が大きく左右にぶれていないか

まずは泳ぐ距離を短くし、呼吸中も小さなバタ足を続けることを意識しましょう。

原因4.首だけを大きく動かしている

クロールの息継ぎは、首だけを動かして行うものではありません。

身体を正面に向けたまま、首だけを大きくひねると、顔を水面から出しにくくなります。そのため、さらに顎を上げたり、頭を持ち上げたりする動きにつながります。

また、首に余計な力が入ることで、肩や上半身も緊張し、スムーズな呼吸が難しくなります。

息継ぎでは、肩や胸、腰を一緒に少し横向きに回転させ、その動きに顔がついていくことが大切です。

子どもには、

「顔だけを横に向けるのではなく、おへそも少し横を向けよう」

と伝えるとイメージしやすくなります。

ただし、身体を完全に横向きにする必要はありません。大きく回転しすぎるとバランスを崩すため、自然な範囲で身体を傾けます。

原因5.身体を横に回転させられていない

クロールでは、腕を回すたびに身体が左右へ少し回転します。この動きを「ローリング」と呼びます。

ローリングができていないと、息継ぎのときに口を水面へ出しにくくなります。その結果、顔を上方向に持ち上げる動きが起こり、腰や足が沈んでしまいます。

ローリングには、肩や胸の動きだけでなく、身体を一本の軸として安定させる体幹の力も関係します。

身体の中心が安定していないと、息継ぎのときに上半身と下半身がバラバラに動き、身体が左右に大きくぶれることがあります。

大切なのは、身体を無理にひねることではなく、頭から足までをできるだけまっすぐに保ったまま、身体全体を少し横へ傾けることです。

息継ぎで沈みやすい子どものチェックリスト

次の項目に当てはまるものがないか確認してみましょう。

・息継ぎのときに前を見ている
・顔全体を水面から出そうとしている
・水中で息を止めている
・顔を横に向けてから息を吐いている
・息継ぎをするとバタ足が止まる
・息継ぎ側と反対の腕がすぐに下がる
・首だけを大きく横に向けている
・身体を横向きにする動きが苦手
・息継ぎのたびに身体が左右にぶれる
・腰や足が水中へ沈んでいる

複数の項目に当てはまる場合でも、すべてを一度に直す必要はありません。

まずは「水中で息を吐く」「顔を持ち上げず横に向ける」など、一つずつ練習することが上達への近道です。

クロールの息継ぎが上手になる練習方法

1.水中で息を吐く練習

プールの壁につかまり、顔を水につけます。

水中で鼻や口からゆっくり息を吐し、顔を上げたら短く息を吸います。

最初は泳がずに、

「ブクブク、パッ」

という呼吸だけを繰り返しましょう。

水中で十分に息を吐けるようになると、顔を水面から出している時間を短くできます。

2.壁につかまって横向き呼吸をする

両手でプールの壁を持ち、顔を水につけます。

水中で息を吐いたあと、頭を持ち上げずに顔を横へ向けて呼吸します。

このとき、耳の後ろや後頭部を水面に近づけたままにすることがポイントです。

最初は左右どちらが呼吸しやすいかを確認し、やりやすい側から練習しましょう。

3.片手を前に伸ばした横向きキック

片方の腕を前に伸ばし、反対側の腕を身体の横につけます。

身体を少し横向きにした状態で、バタ足をしながら進みます。

この練習では、身体を横に傾けてもバランスを崩さない感覚を身につけます。

顔を完全に水面から出そうとせず、頭を腕の近くに置いたまま姿勢を保ちます。

4.短い距離で息継ぎを練習する

長い距離を泳ごうとすると、苦しくなってフォームが崩れやすくなります。

最初は5メートルから10メートル程度の短い距離で、息継ぎの動作だけに集中しましょう。

「何メートル泳げたか」よりも、

・水中で息を吐けたか
・顔を横に向けられたか
・呼吸中もバタ足を続けられたか

という動作の質を確認することが大切です。

自宅でできる体幹・姿勢の練習

クロールの息継ぎには、水中で身体をまっすぐ保つ力も必要です。

自宅では、次のような運動に取り組めます。

ストリームライン姿勢

立った状態で両腕を耳の横まで伸ばし、左右の手を重ねます。

お腹に軽く力を入れ、腰を反らしすぎないようにしながら、頭から足までをまっすぐに伸ばします。

この姿勢は、けのびやクロールの基本姿勢につながります。

横向きバランス

床に横向きに寝て、身体を一本の線のように伸ばします。

下側の腕を頭の上に伸ばし、上側の腕は身体の横に置きます。

身体が前後に倒れないように姿勢を保つことで、息継ぎに必要な横向き姿勢を確認できます。

デッドバグ

仰向けになり、両手を天井へ向けて伸ばします。股関節と膝を約90度に曲げ、片腕と反対側の脚をゆっくり伸ばします。

腰が大きく反らないように、お腹に力を入れて行います。

手足を動かしても身体の中心を安定させる練習になり、クロール中の姿勢保持にもつながります。

子どもに教えるときの注意点

息継ぎができない子どもに対して、「もっと顔を上げて」「大きく息を吸って」と伝えると、かえって身体が沈みやすくなることがあります。

また、一度に多くのことを伝えると、子どもが何を直せばよいのか分からなくなります。

まずは、

「水の中で息を吐こう」

「前ではなく横を見よう」

「息を吸うときも足を動かそう」

など、短く分かりやすい言葉で、一つずつ伝えましょう。

子どもによって身体の使い方や苦手なポイントは異なります。

できていない部分だけを指摘するのではなく、「水の中で息を吐けたね」「顔を横に向けられたね」と、できた動作を具体的に伝えることも大切です。

まとめ

クロールの息継ぎで子どもの身体が沈んでしまう主な原因は、次の5つです。

1.顔を前や上に持ち上げている
2.水中で息を吐いていない
3.息継ぎをすると手や足の動きが止まる
4.首だけを大きく動かしている
5.身体を横に回転させられていない

息継ぎは、呼吸だけの問題ではありません。

顔の向き、腕や足の動き、身体の回転、体幹の安定性など、複数の動きが組み合わさっています。

まずは水中で息を吐く練習から始め、顔を持ち上げずに横へ向ける感覚を身につけましょう。

焦って長い距離を泳がせるよりも、短い距離で正しい動きを繰り返す方が、息継ぎの上達につながります。

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